家族の心に寄り添うための心得

介護職は、高齢者の日常生活を支えるだけでなく、そのご家族の心のケアも担っていることを忘れてはなりません。
高齢者にとって、慣れ親しんだ家族との繋がりは、心の拠り所であり、安心感の源です。
しかし、介護という現実は、ご家族に大きな負担や葛藤をもたらすことも少なくありません。

ご家族は、高齢者の変化に戸惑い、不安を感じています。
「今までできていたことができなくなってしまった」「どのように接したらいいのかわからない」という戸惑いは、時に罪悪感や無力感に変わってしまうこともあります。
献身的に介護をしているご家族であればあるほど、葛藤に苦しむことも少なくありません。

介護職は、ご家族の気持ちを理解し、寄り添うことから始めることが大切です。
積極的に声をかけ、不安や悩みを吐き出せる場を提供しましょう。
ご家族が安心して本音を話せるような雰囲気作りを心がけ、決して否定的な言葉をかけることなく、耳を傾けるのです。

そして、介護に関する正しい知識や情報、そして利用できるサービスなどを提供することで、ご家族が適切な判断を下せるよう支援しましょう。
介護サービスの利用方法や手続き、介護休業制度など、ご家族の状況に合わせた情報提供を行うことが重要です。

また、地域の包括支援センターや介護相談窓口などの外部サービスの情報提供も積極的に行いましょう。
ご家族だけで抱え込まず、様々なサポート体制を活用できるよう、具体的な情報を提供することで、ご家族の不安を軽減することができます。